以前、おそらく当店のことを書いているんだろうな
と思うネット投稿を見かけました。
人気のお財布ショルダー…ある作家…高い…
18000円とかする、と。

詳しくは見ていないけれど、書き出しからして
その方はうちのお客様ではないんです。
お客様ならその値段でも価値を感じて
おもとめ下さったはずだから。

当店のお財布ショルダーの中で一番高額の
綸子(りんず)という着物生地シリーズのことだと
思うのですが、その値段には理由があります。



1)着物生地は幅が狭く、普通の生地と違って
横並びでいくつ分も取れない→１点のみ


2)縁起物の鳳凰柄なので、首がちょん切れたり
しないように柄出しをしている


3)生地の模様としては、鳳凰は上向きと下向きが
交互になっているけれど、表の目立つ場所には
縁起が良い「上向き」を必ず配置している


4)ロットによって染めの色が微妙に違うので
全パーツで色を揃えることで無駄が生じる


5)綸子の華やかさにふさわしいように
内側はシルクシャンタンを使っている


6)外側の綸子、内側のシルクシャンタン共に扱いが
難しく、スタッフの中でもベテランしか作れない


7)スナップボタンとDカンのタブ、後ろポケットの
折り口を同じ綸子で作ることでスッキリ見せている


8)綸子の色に合わせて絹糸のツヤすべタッセルを
作家さんに注文している


9)私は京都出身で、祖父母が西陣織に携わっていた
ことから、微力ながら京都の伝統産業に
貢献したいと思い、仕入れている


10)お客様に選ぶ楽しさをご提供するため
５色展開している


11)生地サンプルを無料でお送りしている


こういった理由で、それなりのお値段にしています。

立食パーティーに、ホテルバイキングに
旅行に、普段使いに、とたくさんのお客様が
ご愛用下さっていても、悪く言う人はいる。
万人に好かれるってことはないんです。

でもそれでいい。
仕入れ的にもマンパワー的にもそんなに沢山
次から次へと作れるものではないから。

でも、あきらめずに伝え続けます。
必要してくださる方に届くように。